■近畿弥生の会

「さんだムラ」だより20090528(初夏)

 みなさん御無沙汰しております。
 またまた一年ぶりの“さんだむらたより”です。
 田植えがほぼ終わりました。
 今年は稲作を中心に田んぼでみた考古学と関連するような物事をお知らせ して行きたいと思います。
 どうぞよろしくお願い申しあげます。



「田植え後の風景」
 田植えがほぼ終わりました。
 昨年は草に困ったので、今年は「毎週草取り」を目標にしておりますが、相変わらずバタバタして専念できず、次々に芽吹く昨年落ちた草の種との悪戦苦闘が早くもはじまっております。



「不耕起の田植え」
 田を起こさず、田植えをする方法。
 近年、各地で取り組みが行われており、我が家でも4年前から、一部の田で年中水を張り、春に田植えをする方法を試しています。
 昨年の株の間に今年の苗が見えます。



 「田植え2週間後の足跡」
 よく遺跡で「足跡発見!」の報がありますが、水を張った水田では田植えの時の足跡は写真のように、2週間でモワモワと輪郭もおぼろになり、夏の盛りにはほぼわからなくなってしまいます。
 遺跡での指の痕跡も明瞭な足跡は、何らかの原因で一瞬にパックされたものと思われます。



「獣の足跡」
 田植え直後から、イノシシやシカなどの獣が、わが家の水田を訪れています。
 畦のふちには明瞭に足跡がありますが、水田を横切った部分は上の写真と同様、すでにモワモワと消失しかけています。



「畦塗り」
 田の代かきが終わると畦に土を塗り込みます。
 これは水漏れを防ぐ目的がありますが、昔ながらに鍬と鋤 を使って行います。
 江戸時代の文献に土木作業の溝掘りなどを「クロクワ」 と言っているものがありますが、畦のことを「クロ」と呼ぶ地域もあったなあ・・と思いながら、今年も塗りました。



「大畦畔」
 メインの水路脇の常設の畦。水路の幅は上巾で約1メートルですが、実際の水量は幅30センチほど。堰止めて水田に水を入れます。



「小畦畔」
 こちらは普段の畦でなく、水田の中に水を一旦貯めて入れるように設けたもの。冷たい谷川の水を水位調節して温(ぬる)くして導水します。
 ほぼ1年で崩れますので、毎年、田植え前後に盛り上げます。長いものを作る農家では、田んぼをほぼ一周するものもあります。この小畦の作業をしていると、弥生水田の畦を連想します。

「さんだムラ」だより

山さんが自然に囲まれて家族と暮らすため、山里に移り住みました。
もちろんお米も作っています。
このページでは山さんから送られてきた画像を掲載し、山さん一家の生活の一部を紹介します。

■20051002のたより
■20051020のたより
■20060429のたより
■20061031のたより
■20070307のたより
■20080401のたより
■20090528のたより
■20090714のたより
■20110808のたより
■20120310のたより